ソラナは、高速かつ低コストな取引処理を特徴とするブロックチェーンプラットフォームであり、主に分散型アプリケーション(DApps)やDeFi、NFT市場などで利用されている。独自のコンセンサス機構「Proof of History(PoH)」を採用することで、高いスループットと短い取引確認時間を実現している。
技術的特徴
項目 | 内容 |
---|---|
コンセンサスアルゴリズム | Proof of History(PoH) + Proof of Stake(PoS) |
処理速度 | 最大約65,000トランザクション/秒(理論値) |
平均ブロック生成時間 | 約400ミリ秒 |
スマートコントラクト | 対応(Rust・C・C++などで開発可能) |
手数料 | 非常に低コスト(平均0.00025ドル前後) |
分散型アプリ対応 | DeFi、NFT、Web3アプリ、ゲームなど多数 |
PoHは、各取引に「時刻証明」を付与する仕組みで、これにより取引順序の合意を高速に行うことができる。従来のブロックチェーンに比べて処理の並列化が容易になり、高いスケーラビリティを実現している。
発行の背景と目的
ソラナは2017年、元クアルコム(Qualcomm)エンジニアの**アナトリー・ヤコベンコ(Anatoly Yakovenko)**氏によって構想された。
当時のブロックチェーンはスケーラビリティの限界に直面しており、「高速かつ分散的な処理」を両立するプラットフォームの必要性が高まっていた。
年表
年 | 出来事 |
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2017年 | Anatoly Yakovenko氏がソラナの構想を発表。「Proof of History」コンセプトを提唱 |
2018年 | ソラナ・ラボ(Solana Labs)を設立し、テストネット開発を開始 |
2019年 | トークン「SOL」を発行、初期投資ラウンドで資金調達 |
2020年3月 | メインネットβ版をローンチ |
2021年 | DeFi・NFT市場の拡大とともにエコシステムが急成長 |
2022年 | ネットワーク障害が発生し、信頼性改善へ注力 |
2023年 | Solana Mobile「Saga」スマートフォンを発表・発売 |
2024年 | モバイル向けWeb3体験を強化、「Blaze」モデルの開発発表 |
2025年 | 大規模アップデート「Firedancer」プロジェクト進行中、性能向上を目指す |
ソラナフォン(Solana Mobile / Saga)とは
ソラナフォンは、ソラナが2023年に発表したWeb3特化型スマートフォンである。
機種名は「Saga(サーガ)」で、Androidベースながら暗号資産ウォレット機能をOSレベルで統合しているのが特徴。
ユーザーはブラウザ経由ではなく、ネイティブ環境でウォレット操作・NFT発行・トークン送受信が可能となる。
このスマートフォンには、ソラナ独自の「Solana Mobile Stack(SMS)」が搭載されており、開発者はモバイル上で直接Web3アプリ(DApp)を構築できる。
これにより、スマートフォンを中心とした分散型アプリケーションの普及とユーザーのオンチェーン体験の拡大が進んでいる。
ソラナフォンは一時在庫完売となるほど話題を呼び、2024年には後継モデル「Blaze」の開発も報じられている。
これらの試みは、ソラナが単なるブロックチェーンから“Web3インフラ全体”へと拡張していることを象徴している。
ソラナのエコシステム
ソラナ上では、数多くの分散型アプリケーションやプロジェクトが稼働している。
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DeFi領域:Serum、Raydium、Marinadeなど
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NFT領域:Magic Eden、Solanart など
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インフラ・モバイル領域:Helium、Audius、Solana Mobile(Saga)など
これらの多様なプロジェクト群が、ソラナを「高速で実用的なWeb3プラットフォーム」へと押し上げている。
まとめ
ソラナは、独自のProof of Historyによる高速性と、低コストでスケーラブルな構造により、Web3時代の基盤技術として成長を続けている。
さらに、Solana Mobileによって“スマートフォン上でのブロックチェーン利用”という新しい領域を切り開きつつあり、ネットワークから端末まで一貫したWeb3体験を提供するプロジェクトへと進化している。
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